「最近は教理屋さんも、洋と和の区別がなくなってきたなあ。」と思う。
創作料理ブームで和食屋さんもかなり洋をとりいれてきていると思う。
和食はすばらしい伝統があるが、時代に合わせて変化していっているのだろう。
それにあわせ、真右ェ門も和洋の区別なく使える食器を創り始めています。
黒塗りの膳にも白壁にもよく似合うような天竜寺青磁、砧青磁の器など。
器の流行はこれからも変化していくとおもいますが、その変化を敏感にくみとり器に生かしていくつもりです。
これからも期待していてください。がんばります。
戦国時代、謀反を繰り返していた悪名高い武将松永久秀は意外にも一流の茶人でした。
燃えたぎるような反骨の血を茶をのむことで抑えていたのでしょうか?
千利休の師匠でもある北向道陳、山上宗ニらとともに茶会を催しています。
最後は織田信長に叛き、信貴山に追い詰められますが、その時、
信長から茶釜「平蜘蛛」を譲れば命を助けるといわれたのを拒否し、
「平蜘蛛」を粉々に砕いて、火薬に火をつけ爆死。
信長は大変残念がったと伝えられています。
戦国時代の武士はプライドの塊でしたから、信長ごときの下にはつけぬという
男の意地だったのでしょう。
他にも以前に信長に降伏した時に名物茶入「つくも茄子」をさしだして
降伏した逸話ものこっています。
空を赤く染め上げた彩雲。その中に悠然と圧倒的な存在感で富士の御山が立っています。
日展作家の二代真右ェ門(九洲夫)は「富士」のような伝統的な絵は積極的には描いてきませ
んでしたが、近頃、鷹巣瑞光堂店主の「先生の得意の釉(うわぐすり)の妙技で私の好きな
富士の山を描いてくださいよ。絶対に良い作品になると思いますよ。」との言葉にひらめきを得、
崇高な富士の魅力にとりつかれたように富士を描く様になりました。
この作品「黎明富士」は幻想的雄大な姿で仕上ったと思います。
他にも朝日に映える「旭日富士」
奇跡ともいうべきの光景の「赤富士」
夜空に輝き映える「明星富士」など
様々な富士の魅力を感じて頂ければ幸いです。
他、「金雲富士」「東雲富士」「黄昏富士」など。
(銘は特別この商品に限りローマ字のkusuo-となっています。)
「黎明富士」以外の作品は鷹巣瑞光堂のサイトよりご覧いただけます。
http://www.apz.co.jp/まで。

陶額「黎明富士」
創業明治15年 鷹巣瑞光堂 幸平店
tel 0955-43-2639
mail : zuikoudou@apz.co.jp
真右ェ門は新作を創る時が一番苦悩するといいます。暗中模索。霧のかかった迷路ような路を右にいったり、左にいったりして少しでも前に進もうとしているのが痛いほど伝わってきます。
この時期には失敗作が数多く生まれます。(もちろん市場にはだしません。作家の資料としてオクラ入りします。)こうした悲しみを乗り越え、新作が生まれます。その時の喜びは夜明けの朝の光を見出したみたいです。
だから新作はよろこびと悲しみを包み込んでいます。
最近偶然入った喫茶店で「タオ・老子」という本が目にはいりました。
老荘思想は庶民の知恵がたくさんつまった知恵の宝庫なんですが、それをわかりやすく解説していました。
学術的ではなく、詩的な説明がしてあり面白かったです。
注文して読んでみました。
これほど、わかりやすくモダンに老荘思想を説明した本はありません。
老荘思想の「無」の思想はお茶の世界と深い関係をもっているので、
とても参考になりました。
皆さんも読んでみませんか?おもしろいですよ。