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2009 年 7 月 30 日

荒削りと本削り

カテゴリー: 焼物の話焼物「レビュー」 — hiro @ 11:24 AM

あえて分厚く花瓶などの生地を作った場合、当然重さを調整するため、

削り込まなくてはいけません。

まずは荒削り、これは体全体の力を込め、力を抜かずに十分にやります。

体を固め、腹を張り、腰を据え、左右の手に同じ力を込め鉋を持ち削ります。

そのあとに多少力を抜いて自然の手加減をし、表面を削り次に備えます。

そして本削り、ここが一番大切で、鉋と人の手が一つになり、

削る一点を見据えながら削ります。

実はこの本削りにはコツがあります。

それは・・・

仕上げたいという欲を頭から追い出し、ただひたすら削るのです。

そうすることにより、微妙な表面の味わいができるのです。

仕上げなくてはいけないというこだわりを捨てることが、

逆に素晴らしい仕上がりを生み出すのは不思議です。

2009 年 7 月 20 日

蒸し暑い季節

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 8:58 AM

蒸し暑い季節が続いていますね。

皆様はいかがおすごしですか?

この季節は一番私が苦手な季節です。

湿気のため焼き物の生地も釉薬になじまず、

大変苦戦する時期です。

まあだから、この時期無事完成した時の喜びも多きいですね。

頑張ります。

2009 年 7 月 14 日

「中国古典一日一話」 著者 守屋洋さんのご紹介

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 10:29 PM

私は「史記」「老子」「三国志」など中国古典をよく読みます。中国人は長い歴史のなかで机上の空論ではなく、生活の知恵としてのさまざまな言葉をのこしてきました。  

古典というと古臭い感じがするのですが、そうではなくいつまでも語りつがれてきたこれらの言葉は色あせることを知りません。

守屋洋さんの本の「中国古典一日一話」はお薦めです。人生の予習ができます。

これからの時代に必要な役に立つ言葉がたくさんのってます。

より多くの本に目を通すほど、当然すばらしい本に出会う機会は増えますし、

町の本屋さんや、駅のホームで吸い寄せられるように本を買うときがあります。

私は気になるタイトル本があればをかたっぱしから手に取りパラパラとめくり、

その中で直感的に「良い」と感じた本は迷わずに買います。

読書から得られるものは大きいですよ。古典は究極のロングセラーです。

どんなに時代が変化しても変わらないもの、それは文学も陶芸作品も一緒です。

古典はあまり難しく考えず、感じるままに読むことが楽しむ秘訣です

ぜひ見てみてください。

2009 年 7 月 10 日

京都の思い出

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 11:28 AM

学生時代、ですごく繁盛している素晴らしい接客をしてくれる居酒屋のご主人に、 

「接客のコツとはなんですか?」と訪ねたことがあります。

その方はたたき上げの方でしたが、

「そうですね。私はホテルで20歳のころからバイトをして、

そのまま就職をし独立し店を開いて今にいたりますが、

その経験で今感じることは、どれだけ人を好きになれるかじゃないですか?」

とこたえられました。

「色々な価値観を認め、違いを楽しむこと。それがすべてですよ。」

と続けられたので

「それってすごく難しいことなんじゃないですか?」

と尋ねたら、「いえいえ、お客様と語り合い色々な価値観を知ることが私は好きなんです。

百人いれば、百人の個性がある。となると百人の接客方法は違うんです。

それにはお客様の気持ちをくみとりお互いに楽しむことしかないんですよ。」

と答えられました。すごい人だなと思いました。

心に残っている思い出でした。

2009 年 7 月 9 日

真右エ門のしおり

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 11:27 AM

今は真右エ門窯についての説明文字は

以前は手書きでくずして書いていました。

ところが13年前、ある著名な評論家の方に、

「この文字はもっと自分流にくずすか、基本道理にきっちりわかりやすく書くかしたほうがいいんじゃないか?

中途半端はいけない。」とご指摘をうけ、文字をわかりやすく書いたことがあります。

(今はワープロの文字になっていますが)

評論家の方は「余計な事をいいましたね。すみませんね。」

と苦笑されていました。

真右エ門は自分がこれと決めたこだわりは絶対に曲げませんが、

自分が気付いていなかったことを指摘されたときには素直に感謝し改める性格です。

(意外に柔軟な一面もあります。)

文字だけではなく焼き物の形も伝統の基本道理にするか、

自分流に崩すかどちらかが魅力があると私は感じます。

書と陶芸の共通点を見出した思い出でした。

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