あえて分厚く花瓶などの生地を作った場合、当然重さを調整するため、
削り込まなくてはいけません。
まずは荒削り、これは体全体の力を込め、力を抜かずに十分にやります。
体を固め、腹を張り、腰を据え、左右の手に同じ力を込め鉋を持ち削ります。
そのあとに多少力を抜いて自然の手加減をし、表面を削り次に備えます。
そして本削り、ここが一番大切で、鉋と人の手が一つになり、
削る一点を見据えながら削ります。
実はこの本削りにはコツがあります。
それは・・・
仕上げたいという欲を頭から追い出し、ただひたすら削るのです。
そうすることにより、微妙な表面の味わいができるのです。
仕上げなくてはいけないというこだわりを捨てることが、
逆に素晴らしい仕上がりを生み出すのは不思議です。