呉須を用いて生地に藍色の絵模様を描き、その上に無色の釉を
掛けて焼き付けた磁器のこと。
日本では青い模様から藍染を連想させたらしく
「染付」の名で呼ばれる。
月白草花紋のヒントになったのは、有田の染付です。
染付を今にどう表現するか?
温故知新。
二代真右エ門が染付に立ち返り、草花の模様を作品によく描くのは
自然が持つ命を描かなくてはいけないという、作家の信念なのでしょう。
草花の線は本当にやわらかく見る者の心を和ませてくれます。
ぜひ、現代の染付を感じてください。
春の夜に月星の薄明かりのなか、桜の美を楽しんだことは有りませんか?
桜は日本で最も好まれる色の一つです。
何度見ても見飽きない。なぜだろう?と自分なりに考えてみましたが、
桜の美には無邪気な自然の母のような心があるのではないのかと思います。
眺めていると、大自然のただ人を愛する心が伝わってきそうです。
精気に満ちてやわらかいけど、奥には深い力を秘めている。
それが桜の美です。
その美に魅せられた真右ェ門は夜桜を表現した釉「桜天目」を創りだしました。
ぜひ大自然の与える美を感じてください。
青磁は日本で最も好まれる色のひとつです。青磁には宋の時代に作られた青みの砧青磁と元から明にかけて作られた緑味の天竜寺青磁があります。
今回、紹介させていただく青磁ですが、なぜ、天竜寺青磁とついたのか?といいますと、南北朝時代、足利尊氏公が京都の嵯峨に天竜寺を建設するため、資金調達に、この手の青磁を輸入したという説と、天竜寺にこの手の青磁の香炉が伝わったからという説があります。
青磁には日本の侘び寂びにも通ずる内なる美を強く感じます。
二代真右ェ門は青磁に対しての想いは強いものがあります。清らかな艶の独自の天竜寺を追求しています。
今回は黒茶碗のなかで、最も美しいとされる南宋時代(1127~1279)の油滴天目茶碗の紹介をしたいと思います。陶磁器の専門家でなくても、油滴天目の気品の高い美しさは、ある程度、一般の方々にも知られているようですね。時代劇とかに、天目台という台の上に乗せて、差し出されているシーンをよくみかけます。今回は、その油滴天目茶碗の魅力を皆様と一緒に感じていきたいと思います。
油滴天目茶碗は南宋の陶工が皇帝や士大夫階級といわれる知識人に一生懸命作りのこしたものと伝えられます。神秘的な美しさと魅力をはなつ油滴天目茶碗は、単に目を楽しませるだけではなく、心を研ぎ澄ました時、宇宙深奥の景色を読みとることができる、として重宝されてきました。ここで士大夫階級とは、どういう人々かと言いますと、努力して庶民から台頭してきた知識人階級で、非常に精神性の高い美を求めたと伝えられています。すべてをつつみこみ昇華する黒、それこそが、宋の時代にこめられた深い精神性です。
当主の真右ェ門も、油滴天目はやっていますが、自分の納得いくものがでるのは、一年間に2、3個でるかどうかと言っています。いまだに次にどういうものがでてくるかわからない楽しみ、変化は無限、それが油滴天目をつくる喜びです。国宝の油滴天目を目指したいですね。
Powered by WordPress