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2009 年 7 月 2 日

梅雨の日の生地

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 9:23 AM

梅雨に入りむし暑い日が続いています。

皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?

さて、今日は梅雨の日の生地について話していこうと思います。

梅雨の日は轆轤で成形し削りに入る前の生地が、

口縁はすぐにかわくのですが、下部特に底部が乾きません。

この為、ヒビが生地の収縮率の関係でできやすく、困ります。

そこで、高台裏に焼き物の削り粉をしいて口部との乾きを

同じにすることにより、ひび割れを防止します。

私もヒビが生地に入るのには悩んでいましたが、こうして解決しました。

有田の伝統の知恵の紹介でした。

2009 年 7 月 1 日

ある人の言葉

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 9:24 AM

先日、ある経営者さんと飲む機会がありました。

その方もモノ創りの会社の職人気質の社長さんだったので、

「物創りに一番大切なものはなんですか?」と質問してみました。

そうしたら、その社長さんは「人だよ。」とおっしゃいました。

「作品にはそれをつくった人間の精神の奥深さが自然と現れる。

技術も勿論大切だが、それだけでは人を感動、感心させられない。

物を良い風合いにするには成熟した人間性が大切だね。」と続けられたので

「なんだか、抽象的な話ですね。具体的にはどうすればそういう味をだせるんですか?」

と言いましたら、

「それは一言では説明できないなあ。一つヒントを言えば、

物の本質を知ることなんじゃないか?」とおっしゃいました。

なんだか、心打たれるお話でした。

2009 年 6 月 27 日

やきものの作り方

カテゴリー: 焼物の話焼物「レビュー」 — hiro @ 9:47 AM

私たち、真右ェ門窯は様々な方法で焼き物を成形していますが、

本日はその中で三種類の方法を話したいと思います。

一、轆轤(ろくろ)整形。

これは回転する轆轤の上で、磁土を引き上げるやり方です。

磁器は陶器に比べ硬いので成形はしにくく、難度の高い技術が必要です。

全国の焼き物の九割は轆轤成形だといわれています。

二、手びねり成形。

轆轤で大まかな形を作った後、土を指先で形を整えて、整形しています。

効率は悪いですが独自の風合いが出ます。

三、板作り(タタラ成形)

板状にした陶土を曲げたり張り合わせたりして成形する方法。

角状のものや板皿などに適しています。

タタラとは粘土の塊を糸で切り、板状にしたものです。

その他にも様々な方法がありますが、今回はここまで。

表現するものに応じて、型にとらわれず、

様々に道具、成形方法を変えるのが日展作家の世界です。

2009 年 6 月 25 日

白洲正子さんについて

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 1:50 PM

白洲さんの選んだ骨董品を以前テレビで放映していましたが、彼女の所有していたという

焼き物の好みはとても素直で品のいいものでした。

この人はかなりの目利きだと思いました。

洋服もかなりお洒落な人だったそうで、服も焼き物も理屈ではなく直感で選んでいたそうです。

器の好みはやわらかくて強い形が好きだったそうです。

薩摩出身で率直な人でごまかしが嫌いな人だったそうです。

2009 年 6 月 15 日

「預かる」という言葉

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 10:15 PM

昔の収集家は焼き物の名品を所有することを、「預かる」という言葉で表現していたというをある人から聞きました。

家宝にして、代々後世に伝えるという意味だそうです。

自分だけではなく、代々伝えるという言葉。

これを言われたら、陶芸家としては冥利に尽きますね。

こういうひとには本当に感謝いたします。

何百年も残るものをつくりたいですね。

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