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2009 年 7 月 4 日

茶人との出会い

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 3:02 PM

先日、あるお寿司屋さんに行きました。

カウンターに座り、食事をしていますと、一人の白髪の初老の男性が話しかけてきました。

しばらくお話をしていますと、「いやー、今日の茶席の井戸茶碗は最高だったな。」と言われてたので、

どうもお茶をされていることがわかりました。

私はお茶の世界にはとても興味がありますので、

「お茶の世界のとはなんですか?」と尋ねてみました。

茶人の方は少々酔われていましたが、

「はっはっは!君の歳で無を語るのは五十年早いよ。無を語るには早すぎる。」とおっしゃいました。

「なんですか?」と反論したら、

「無を語るには色々な経験を積まなくてはいけない。人生は祭りだ。

祭りをこれから経験しなくてはいけない若者には無は早い!

私くらいの年齢になってわかる世界もあるよ。」といわれました。

「そうですか・・・」といいましたら、

「まあそうは言うけど知識としては知っておいていいね。

無とは水の味と表現するといいかな。」とおっしゃいました。

漠然としかこの意味はわかりませんでしたが、そのうちわかる日が来ればいいなと思いました。

2009 年 7 月 2 日

梅雨の日の生地

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 9:23 AM

梅雨に入りむし暑い日が続いています。

皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?

さて、今日は梅雨の日の生地について話していこうと思います。

梅雨の日は轆轤で成形し削りに入る前の生地が、

口縁はすぐにかわくのですが、下部特に底部が乾きません。

この為、ヒビが生地の収縮率の関係でできやすく、困ります。

そこで、高台裏に焼き物の削り粉をしいて口部との乾きを

同じにすることにより、ひび割れを防止します。

私もヒビが生地に入るのには悩んでいましたが、こうして解決しました。

有田の伝統の知恵の紹介でした。

2009 年 7 月 1 日

ある人の言葉

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 9:24 AM

先日、ある経営者さんと飲む機会がありました。

その方もモノ創りの会社の職人気質の社長さんだったので、

「物創りに一番大切なものはなんですか?」と質問してみました。

そうしたら、その社長さんは「人だよ。」とおっしゃいました。

「作品にはそれをつくった人間の精神の奥深さが自然と現れる。

技術も勿論大切だが、それだけでは人を感動、感心させられない。

物を良い風合いにするには成熟した人間性が大切だね。」と続けられたので

「なんだか、抽象的な話ですね。具体的にはどうすればそういう味をだせるんですか?」

と言いましたら、

「それは一言では説明できないなあ。一つヒントを言えば、

物の本質を知ることなんじゃないか?」とおっしゃいました。

なんだか、心打たれるお話でした。

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