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2009 年 3 月 4 日

司馬遼太郎「関ヶ原」を読んで

カテゴリー: 真右ェ門窯の日常 — hiro @ 12:46 AM

二、三年前から司馬遼太郎を読みだしていますが、司馬氏の鋭い歴史観には脱帽します。

司馬氏は大阪出身だけあって、徳川家康についてはシビアですが、「関ヶ原」の武将同士の駆け引きには、まるでその場を見てきたようなリアルさがあり、すごいと思いました。

関ヶ原

この小説では、豊臣秀吉が亡くなり、その遺志を継ぐ石田三成と覇者徳川家康との戦いを描いています。

(私は以前吉川英治の徳川家康を読んでいたので家康のイメージが180度違うことに驚きました。)

吉川英治版では、義の人家康という設定でしたが、司馬版では目的の為なら手段を選ばない徳人の仮面をかぶったマキャベリストとして描かれていて、衝撃的でした。(むしろ義の人は三成でした。)

いろいろな個性的な人々がたくさん登場します。正義を貫こうとして、死に追いやられるものもいれば、策略が失敗し、破滅するもの、逆に成功するものもいます。

その姿を愚かというのは簡単ですが、彼らもその時代、今を一生懸命生きたのだとおもいます。

なんとも人間臭く、魅力的な人物が山ほどでてきます。歴史とは人間学ですね。

ぜひ、一度見てみてください。

*マキャべリとは中世イタリアの「君主論」を書いた政治思想家。

ローマ人物語を書いた塩野七生氏が詳しい。

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