素地に銅のうわぐすりを掛けて窯に入れ、千三百度の高温で焼くと辰砂という美しい赤の作品になりますが、
一回の窯でだいたい半分くらいがボツになります。下手したら全滅することも・・・
うわぐすりが流れたり、傷がでたり、変色したりしてね。
辰砂をやったことのない方からすると「そんな馬鹿な話があるか!」と仰るでしょうがこれは辰砂窯では当たり前。
みんな窯のスタッフはそのことがわかっていますからびっくりしないわけです。
うわぐすりの掛かった面積が多ければおおいほどそのリスクは高まります。
ですから花瓶なんかは採算を全く度外視しないと辰砂はやれないわけです。
ですからなるだけリスクを減らそうと湯呑やぐい飲みなどの小物で窯の経営を安定させておいて、余った時間で花瓶などの大作をやるわけです。
まあぼちぼちやっていければいいと二代真右エ門は思っているわけです。
歴史に残る作品が作れればそれで本懐だと。