はじめ、伝統色の強い有田において、真右エ門が手ひねりの技法をとりいれたころには、
大変な周りからの反発がありました。
「そんなの非常識だ。できるはずが無い」
「それだったら、磁器をやめて、土もの陶器をすればいいじゃないか」
磁器は陶器に比べて割れやすく難しいとされてきました。
それを様々な技法を試すことにより、真右エ門は独自の手ひねりの磁器の
作品を生み出しています。
だだ、真右エ門は有田の伝統のろくろ技術を否定しているわけではなく、
それはそれで受け継ぎながら、新しい作風を生み出そうと努力しているのです。
なぜ手ひねりをしようと思ったのかについては、
手ひねりの作品を握った時の柔らかな感覚がたまらなく好きだからだそうです。
なぜ、磁器にこだわるか?
それは、洗いやすい清潔感が好きだからだそうです。
お客様から、「陶芸をしていて一番楽しい時はなんですか?」
と質問を受けました。
「タブーに挑戦して乗り越えたときです」と答えました。
一番この時が快感です。
これからも頑張ります。
最近先輩のお話を聞いたが、小手先のデザインでも、
十年は持つということだった。
その十年の間にとても人気がでる場合がある。
これが美術の魔性。
勘違いをしてしまい、位負けをしてしまうことがある。
やはり、美術品にしても、工芸品にしても基本は大切。
ただし、基本とは常に変化するもの。
このあたりの機微をおさえることは難しい。
(位負け・・・本来の実力が無いものが、実力、品格以上の地位を手に
いれてしまい、位の重さに潰されてしまい、身を滅ぼすことになること。)
年長者の有田の伝統的な職人さんは誇り高い人が多いですが、してはいけないことが3つあります。
1、聞かれもしないのに口をだすこと
2、聞かれても答えないこと
3、相手の表情を見ないで勝手にぺらぺらじゃべること
この3つさえ守れば話しやすいひとは多いです。
えっ、私ですか?自分のことは自分ではわかりません。
ではまた・・・
二代真右エ門から教えてもらいました。
「言葉にごまかしなく、受けた仕事は最後までやりぬく。」
ことだそうです。
うーん、難しい。